最近よく見る「ワクストで稼げた」という投稿
ここ数ヶ月、X(旧Twitter)で
「ワクストで記事を売って稼いでます」
「体験談1本が数百円で売れる」
といった投稿をよく見かけるようになりました。
ワクスト(wakust.com)は、メンズエステや夜職関連の体験談・口コミ記事を売買できるプラットフォームです。
誰でも匿名で記事を投稿し、購入者が興味を持てばお金が入るという仕組み。
表面上は「note」や「ブログ販売」と似た形に見えるかもしれません。
しかし──
その“稼ぎ方”、実はかなり危険です。
書いた内容によっては「名誉毀損」や「営業妨害」に当たる
メンズエステ体験談の多くは、
店名・セラピスト名・施術内容などが具体的に書かれています。
中には「抜きがあった」「本番できた」など、性的行為を連想させる記述も。
たとえ「実際にあったこと」だったとしても、
店名や個人名を特定できる形で掲載すれば名誉毀損罪や信用毀損罪にあたる可能性があります。
また、
「違法行為をしている店」だと書けば、営業妨害罪が成立することもあります。
つまり、“真実だからOK”ではなく、“書き方次第でアウト”になる世界なんです。
「風営法」の観点でもリスクがある
風営法の改正以降、メンズエステは“性的サービスを伴わないリラクゼーション業”として位置づけられています。
にもかかわらず、「本番があった」「ヌキあり」などと書いてしまえば、
その店が“実質風俗”とみなされるリスクが生じます。
実際に行政や警察がその投稿をきっかけに調査を始め、店やセラピストに影響が及ぶケースも十分あり得ます。
つまり、軽い気持ちで書いた一文が、人の生活を壊すこともあるということです。
「稼げるらしいから」で書くのは危険すぎる
ワクストのようなプラットフォームは、誰でも投稿できることが魅力でもあります。
しかしその自由さが、法的責任をすべて自分で負うことと表裏一体になっています。
しかも実際のところ、
記事1本あたりの販売価格は数百円~1,000円程度。
仮に数本売れても、リスクに見合うほどの利益にはなりません。
「ちょっとした小遣い稼ぎ」では済まないダメージを負う可能性がある。
これが、ワクストで記事を売る最大の問題です。
投稿した本人も「加害者」になり得る
たとえば──
・セラピストの名前を出して「本番あり」と書く
・店舗名を出して「裏オプションあった」と書く
こうした投稿は、「書かれた側」にとっては営業妨害・風評被害・誹謗中傷になります。
たとえ匿名であっても、IPアドレスや決済情報から投稿者を特定されるケースもあり、
バレないから大丈夫は通用しません。
稼げるより怖い、“信用を失うリスク”
もうひとつ見逃せないのは、「信用を失う」という目に見えない損失です。
メンズエステ業界は、まだまだグレーなイメージを払拭しようと努力している最中。
そんな中で「抜きあり」「本番できた」といった記事が広まれば、
真面目に営業しているお店やセラピストが損をする構図になります。
一時の小銭を稼ぐ代わりに、業界全体の信用を削ってしまう。
これは、誰にとってもプラスになりません。
結論:ワクストは“書ける”けど、“書いていい”とは限らない
ワクストのような体験談プラットフォーム自体は、違法ではありません。
しかし、そこで書かれる内容によっては明確に法に触れる可能性があります。
「稼げる」「バズる」「注目される」──
そうした一瞬のメリットよりも、
自分の手で誰かを傷つけるリスクの方がずっと大きいことを忘れないでください。
まとめ
- 店名・個人名を出すと名誉毀損や営業妨害になる可能性あり
- 「抜き・本番」などの性的表現は風営法的にも危険
- 匿名でも特定されることがある
- 稼げてもリスクが高すぎる
- 「やってもいい」ではなく「やるべきではない」